しまなみ海道 ④生口島

生口島（IKUCHIJIMA）

大三島の多々羅公園を出発して生口島へ向かいます。今日はいよいよ広島県の島へ上陸。多々羅大橋は、しまなみ海道の橋の中でもかなり目立つ存在の橋。スター性が高いと勝手に思ってます。だからこの橋を渡れるのはすごく楽しみ。さてさて行ってきます！

※この記事は2015年当時のものです。一部情報が古い場合があります。

多々羅大橋を渡っていよいよ広島県へ

多々羅大橋は、愛媛県と広島県を結ぶ1480mの斜張橋。建設当初、斜張橋としては世界一の規模だったそうです。確かに間近でみると圧倒されますね。そして、なんといっても美しい！全景は羽根を広げた白鳥のようですが、こうして橋の上から眺めると、すっと立つ美しい貴婦人のよう…。

多々羅大橋にはちょっと面白い趣向が凝らされています。自車道を走りながら主塔のところまで来ると、「多々羅鳴き龍」と書かれた看板があります。これは、日光東照宮や京都の相国寺などにある鳴き龍と同じものです。これらの堂内で、天井画の龍に向けて拍手あるいは拍子木を打つと、天井と床との間で共鳴し、音の多重反射音(残響音)が聞かれます。あたかも天井に描かれている龍が鳴いているような音がなるため古来から「鳴き龍」と呼ばれているのだそうですが、なんとこの多々羅大橋でも、これと同じ現象が起こるのです。実際に主塔の下で手を叩いたり、備え付けのバチを叩く「パパパパパパン」という感じで音が駆け上っていくのを体験できます。車では試せませんので、これは是非自転車で橋を渡って体感してみてください。おもしろくて何度もやってしまいました。(笑)

海沿いのサイクリングロード、最高です！

多々羅大橋を渡り切ったらすでに満足感でいっぱい。おっと、今日は生口島を一周するのです。昨日サイクリングマップで予習してきました。生口島はアップダウンも少なく走りやすい島みたい。橋を降りたところから右手(耕三寺方面)へ。海沿いの気持ちのいい道です。道幅もゆったりしていて車も少ない？本当に走りやすいなあ。

サンセットビーチが数年前に来た時よりもなんだかキレイになってるような気がします。レンタサイクルも充実しています。施設の中にはサイクリンググッズのショップもありました。砂浜まで出てみると、本当にきれいな白い砂浜と美しい海。カヌー体験やシーカヤック体験もやっていました。面白そう～。時間があったらやってみたいなあ。でも海に落ちたりしないのかな!?落ちたら大変ですよね。

サンセットビーチを後にして海沿いを走っていると、不思議な形をした小さな島が見えてきました。形の通り「ひょうたん島」という無人島です。昔、テレビで人気を誇った人形劇「ひょっこりひょうたん島」のモデルになった島と言われているんです。面白いことに島内に広島県(尾道市)と愛媛県(今治市)の県境が横切っているそうです。
この多々羅大橋～瀬戸田港間は、しまなみ海道有数の快走路と言われています。ヤシの木が並ぶ海沿いの道は、自転車道が緑色に塗られ車を気にせず走ることができます。南国リゾート気分で海を見ながらのんびり走ってみてください。この日はお天気がよかったということもあって、たくさんのサイクリストの方が走っていました。
走っているとあちこちで不思議な形のオブジェを見ることができます。これは「島ごと美術館」といって、生口島と高根島の野外に17の現代アートを展示したプロジェクトだそうです。各作品は、アーティスト自らが設置したい場所を選び、その風景から受けたインスピレーションを形にしたものなんだとか。

しおまち商店街から観光スポットへ

瀬戸田のまちなかに近づいてくると、急に人や車が増えてきました。観光バスも走っているし、突然観光地にやってきた感が。黄色い橋は「高根大橋」生口島と高根島をつなぐ生活橋です。鮮やかな黄色が映えます。高根島はミカン栽培が盛んな島です。瀬戸田港の近くに貫禄のある渋い旅館が！しおまち商店街はちょっぴりレトロですごく素敵なところでした。

日本家屋を改築した自転車カフェ

一軒の古い日本家屋を発見。「汐待亭」というお店のようです。カフェスペースもあるようなので寄ってみることに。自転車カフェの汐待亭。明治初期に建てられた建物を利用したカフェです。とにかく中もステキ！自転車も店内に持ち込めます。整備や修理もできるそうでサイクリストにはすごくうれしい。お昼ごはん前なんだけど…自家製わらび餅をいただきました。くみこちゃんはガトーショコラ。どちらも美味しかったです。長居したくなるほど心地良い空間でした。でもまだ先が長いので急がなくては。

汐待亭を出て少し商店街を散策。「しおまち商店街」入り口には大きな灯籠が立っており、どうやら商店街自体がその先にある耕三寺の参道になっているようです。しおまち商店街には、趣きのある建物もあり、古き良き商店街を思わせる懐かしい雰囲気が漂っていました。
商店街を抜けて、さらに50mほど進むとド派手な寺院が見えてきます。門の前に立つだけで圧倒される派手さ！ここが日本各地の古建築を模して建てられた堂塔が建ち並び「西の日光」とも呼ばれる耕三寺。なんでもこの寺の創始者、鉄鋼事業で財を成した耕三寺耕三氏が、亡くなった母親の供養のために建立したのだとか。すごいスケールの大きな親孝行ですね…。古いお寺かと思っていたのですが、昭和11年から伽藍の建立が開始されたという比較的新しいお寺です。
耕三寺から歩いても5分くらいの距離に平山郁夫美術館がありました。日本画の大家平山郁夫氏はこの生口島の出身です。この美術館では平山氏の作品や資料を展示しています。子供のころに描いた絵も展示されているんですが、さすが！の巧さにビックリしてしまいました。やはり子供時代から違うんだなあ。

お昼は名物あなご丼！

お昼は「かねよし」で穴子と決めてました！実はお昼前に一度お店の前まで行ったのですが、満席で…少し時間をずらしてきてみたのです。(そのために、汐待亭でスイーツをお腹に入れておいた、っていうことで。笑)かねよしの穴子はふわっふわで本当に美味しい。撮影の同行カメラマンさんもイチオシのお店なんです。大満足でお店を後にします。

デザート食べまくり!?

実はこの日、怒涛の食べまくりツアーになっちゃいました。かねよしさんから数百メートル程のところに、レモンケーキが有名な「パティスリーオクモト（現在「島ごころ」として移転営業中）」があるという情報をゲット。食後のデザートに！と自転車を走らせます。あれ？食前のデザートも食べたばっかりですけど…？おくもとさんは入口にでっかいレモンのオブジェのあるかわいらしいケーキ店でした。レモンケーキを買いました。中にイートインスペースもあります。そして嬉しいことに、なんとコーヒー無料サービスまで。なんて太っ腹なお店なのでしょう。ちょっぴり遠慮していたのですが、お店の方が「コーヒーもどうぞ」と声をかけてくださり、ありがたくいただくことに。せっかくなので外のカフェテラスでいただきます。レモンケーキは、レモンの風味が効いていてふわふわ！やわらかくて美味しかったです。

食後のデザート第2弾！(笑)はジェラートです。もう食べられないなんて思っていたのに、ここまでサイクリングしているうちに喉も渇き、やっぱり食べたくなりました。一番人気の伯方の塩とデコみかん(デコポン)のダブルです。さすが人気店だけあってお店はたくさんの人でごった返していました。夏にかけては特に休日はすごい人なのだそうです。工場長の宮脇さんと記念撮影。

南側半分はストイックに走ります

ドルチェを出たらあとはストイックに走ります。ここからは立ち寄りポイントもあまりありません。およそ半分ひたすら走って多々羅大橋のたもとまで帰ってきました。カロリーを消費するにはピッタリなコースかも!?途中、生口橋の真下を通ります。橋を真下から眺める機会なんてめったにないので感激です。すごい迫力です！

生口島は食べるところがいっぱい…というか、食べどころ、見どころ密集してるのがうれしい(笑)食べ過ぎたので後半はカロリー消費のために頑張って走りました。生口島は見どころが北側に集中しています。一周する場合は、どちら回りでもいいと思いますが、今回は「見てから走る」北回りのルートをとりました。島の周回道路はおおむね平坦で走りやすく初心者でも楽に一周できてオススメです。